認知症の原因③ 脳血管性認知症
認知症を惹き起こす原因として最も多いのがアルツハイマー病です。
その次に多いのが脳血管性認知症かレビー小体型認知症と言われています。
どちらが多いかは報告によってまちまちですが、印象として、純粋な脳血管性認知症はレビー小体型認知症と同じくらいと思います。
しかし、アルツハイマー病との合併は結構多いのではないかと思います。
さて、この脳血管性認知症とはどういったものなのでしょうか。特徴をお示しします。
- 脳梗塞や脳出血によっておこる認知症
- 手足の麻痺などの後遺症を伴うこともある
- 症状は、障害された脳の部位によって様々
- 突然発症するものからゆっくり進行するものまで存在
- 高齢者のアルツハイマー病に合併する事も多い
などがあげられます。
アルツハイマー病やレビー小体型認知症は脳細胞が変性して徐々に減っていきますが、脳血管性認知症では、脳に酸素や栄養を送っている血管が詰まることによって、脳細胞が死んでしまい、認知症となります。
大きな血管がいきなり詰まって、突然発症するタイプと、細い血管が徐々につまってゆっくり進行するタイプがあります。
左の写真は、細い血管がジワジワ詰まるタイプの脳梗塞によって引き起こされた認知症患者さんの脳のMRI(FLAIR)です。
右は正常な画像です。
比較すると、白い部分がかなり目立ちます。これは全て脳梗塞です。
こうなってしまうと、認知症になったり、手足の動きがぎこちなくなるなどの症状が出てきます。
脳血管性認知症は動脈硬化によって引き起こされていると考えられます。
- 高血圧
- コレステロール異常(LDLが高い/HDLが低い)
- 糖尿病
これらをしっかり治療すれば、アルツハイマー病やレビー小体型認知症より予防しやすい認知症であると考えられます。
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