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2015年5月21日 (木)

入院すると認知症が悪化する(2017年11月28日改訂)

認知症患者さんの多くは高齢なため、若い方に比べて入院する危険性が高くなります。

しかも、入院というのは認知症にとってかなりの強敵です。

入院を契機に認知症が悪化して、そのまま施設へという流れになってしまった患者さんを何人見てきたかわかりません。

そもそも認知症になると、体調が悪くなってもそれをきちんと伝えることができなかったり、突発的な事故(転倒など)をおこしたりと、認知症のない高齢者と比較しても、入院する危険性が高くなります

ですから、認知症患者さんの体調管理には十分注意する必要があります。

いつもより元気がない、食欲がない、熱や咳をしているなどといった症状があった場合、様子を見ずに早めに医療機関へ受診し、できるだけ入院せずに済むようにしたいですね。


~入院すると認知症が悪化する理由について~

入院によって突然環境が変わると、患者さんは大変混乱します。
ただでさえ体調が悪いのに、環境の変化によって混乱し、せん妄という状態に陥ってしまいます。

せん妄とは、『ひどく寝ぼけた状態』と思っていただければよいと思います。

定義としては、以下の通りになります。

_________________________
急性発症、一過性、可逆性の意識障害や意識変容

見当識障害、注意集中困難、認知機能の低下、記銘力障害、興奮、錯乱、幻覚、妄想、活動性低下などの症状が出現
_________________________



ちょっとイメージしづらいと思いますが、実際にはこんな感じです。

_________________________

肺炎で入院し、点滴や酸素の投与で状態は落ち着いたと思ったところ、大声をあげ、夜中に騒いで、点滴を引き抜いたり、酸素も外して言うことを聞いてくれない。さらにベッドから転落してケガをしてしまった。

_________________________

こんなこと本当に起こるのかと思う方もいらっしゃると思います。

私も学生の時はそう思っていました。

ところが、認知症の有無にかかわらず、高齢者ではせん妄を起こすことが全く珍しくありません。

特に、認知機能の低下している場合は、その頻度が高いのです。



そうすると、ベッドに無理やり寝かされて、そのうちに筋力が低下し、1週間もすると立てなくなって…

という事態が起こります。もう寝たきりですね。



また、認知機能の低下している人はせん妄を起こしやすいといわれていますが、せん妄を起こすと、認知機能に悪い影響を与えるとも言われています。

(教科書的にはせん妄は可逆性であって、元に戻ると書いてありますが、元の認知機能にまで必ず戻るわけではなさそうです)

_________________________

認知症で体調不良を訴えられない/転んで骨折しやすい 等

重症化する

入院すると環境が変わる + 体調も悪い

せん妄をおこして騒ぐ

ベッドに拘束される

筋力低下(廃用)となって歩けなくなる + 認知機能がさらに低下する


自宅に帰れなくなる

_________________________

繰り返しますが、この悪い流れに乗らないためにも、まず入院しないように健康に十分気を付けましょう。

そして、体調が悪ければ早めに受診してください。

肺炎球菌やインフルエンザのワクチン接種も有効な対策です(インフルエンザワクチンは無効だということを書いてあるところもありますが、WHOは推奨していますし、みんなが接種することによって、インフルエンザの流行を抑える効果があります)。

入院は認知症にとって大敵!日頃からしっかりとした体調管理を。

~関連ページ~

せん妄を抑えるには

おとなしいせん妄にご注意を



久米医院

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