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2015年5月29日 (金)

認知症の早期発見の重要性

認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の状態から、認知症薬で治療した方がいいのか、しなくていいのかについては賛否両論あり、結論は出ていないと思いますが、認知症が悪化してから治療を行うより、初期から治療を行った方がいいということについて反対の意見を持つ方は少ないと思います。

では、なぜ早期から治療を行った方が良いのでしょうか。


以前もお出ししたスライドですが、ご参照ください。

01
現在、認知症の最も原因となっているアルツハイマー病の治療は、いずれも進行速度を緩やかにする効果しか認められていません。

悪くなった認知機能を回復させることができないのです。

ということは、悪くなる前から治療を行った方が、より良い状態を長く維持できると考えられるわけです。


また、アルツハイマー病は高血圧によって悪化する速度が速くなることがわかっています。

これらのことを考えると、早期から治療を行い、認知症薬の投与や高血圧などの合併症治療を行うことによって、より良い状態を長く維持できる可能性があります。


ですから、アルツハイマー病は早期発見し、早期治療を行うべきだと考えています。


また、アルツハイマー病以外の認知症についても同様と考えられます。

さらに、ビタミン欠乏や甲状腺機能低下症由来の認知機能低下については、回復させることができるかもしれませんので、物忘れが出現したら早い段階で一度受診を行った方がよいと考えられます。



http://kumeiin.jp/

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