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2015年6月18日 (木)

シロスタゾール(プレタール)はアルツハイマー病を防げるか?

シロスタゾールという薬がアルツハイマー病の進行を抑制できるかもしれないという報告があります。

 

シロスタゾールは、もともと脳梗塞などの血管が詰まることによって起こる病気の予防薬です。

 

くすりの働くメカニズムは全く異なりますが、アスピリン(バイアスピリン)やクロピドグレル(プラビックス)などと使う目的は大体同じです。

 

では、なぜシロスタゾールがアルツハイマー病に効くかもしれないといわれているか。

 

シロスタゾールはアルツハイマー病の原因と考えられているアミロイドベータ(Aβ)という蛋白の蓄積を防ぐ効果が、動物実験で示されていることがあげられます。

 

また、シロスタゾールを投与したアルツハイマー病患者の認知機能が、投与しなかった患者より低下しにくかったという報告もあります(Ihara M, Nishino M, Taguchi A et al.:Cilostazol add-on therapy in patients with mild dementia receiving donepezil: a retrospective study. PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516.)

 

では、どのくらい効くのか?

 

論文によると、MMSEが22~26点の軽いアルツハイマー病の患者さんにとっては、かなり効果的(80%進行を抑制)となっています。

 

しかし、21点以下では、効果は乏しかったとのことです(有効性を証明できていません)。

 

ただ、ちょっと気になるのが、この研究は、アルツハイマー病の患者さんを、ドネペジル(アリセプト)単独か、シロスタゾール併用の二つのグループに分けて追跡したわけではなく、振り返ってみたら、そうであったという研究だという点です。

 

ですから、もしかしたらシロスタゾールを使った理由が別にあって、その理由によって進行が遅くなった(シロスタゾールが効いたわけではない)ということもあり得るのです。

 

たとえば、シロスタゾール併用群は、実は脳梗塞合併の混合性認知症で、シロスタゾールによって脳梗塞の再発が抑えられたために、結果として認知機能が維持されたということも考えられます。

 

今後、さらなる研究が行われれば、本当にシロスタゾールがアルツハイマー病に効果があるのかがはっきりすると考えられます。

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