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2015年9月24日 (木)

おとなしいせん妄にご注意を

せん妄というと、わけもわからず大騒ぎするという印象をお持ちの方も多いと思います。

実際、それは間違ってはいないのですが、逆におとなしくなってしまうせん妄もあります

せん妄についてはこちらも参照してください。


せん妄というのは、ひどく寝ぼけた状態に近いと思っていただければよいと思います。

多くは、入院することによって引き起こされ、大騒ぎをしたり、点滴を引き抜いたり、暴力的になったりすることが多いです。

しかし、なかにはボーっとして、反応が乏しくなったり、無気力になったりということもあります。


こういったおとなしいせん妄は、一見せん妄に見えないので、入院してずいぶんおとなしくなったなという程度にしか思われないことも多い様です。

しかし、そのまま放置しておくと、ご飯を食べなかったり、リハビリが上手くできなかったりと、やはり寝たきりの危険性が高くなります。

ですから、入院して、ずいぶんおとなしくなった、無口になった、気力がなくなったなんていうことがあったら、せん妄になっている可能性を考えてみてください。

2015年9月11日 (金)

MRIでは認知症の発症予測はできない。

認知症を診断するために、頭部のMRIを行うことはほぼ必須であるといえます。

 

認知症の最大の原因であるアルツハイマー病患者さんでは、海馬の萎縮が目立つため、MRIで萎縮の有無を確認します。

 

脳血管性認知症であれば、脳梗塞があるため、これもMRIでよくわかります。

 

頭部MRIが、認知症を発症している患者さんにとって有用であることは、疑いの余地はないと思います。

 

では、発症予測という意味ではどうでしょうか。

 

フランスで行われた研究についてご紹介します。

 

1721人の認知症でない人にMRIを行い、さらに10年間追跡して、その間に認知症を発症したか調べた研究があります。

 

この研究では、認知症発症前のMRI画像を、統計的に解析しています。

 

アルツハイマー病でみられる海馬の萎縮についても検討されています。

 

しかし、残念ながら、認知症発症前に行われたMRIをもとに、10年のうちに認知症を発症するかどうかを予測することはできませんでした

 

Stephan, B. C. Tzourio, C. Auriacombe, S. et al. Usefulness of data from magnetic resonance imaging to improve prediction of dementia: population based cohort study. BMJ 2015;350:h2863

 

やっぱりそうだろうなというのが、率直な感想です。

 

アルツハイマー病に限って言えば、海馬の萎縮が目立つのは、認知症発症の時期とほぼ一致しているという印象です。

 

もし、発症を予測するのであれば、アミロイドβ(Aβ)を検出する検査の方が、おそらく有用であると思われます。
(アルツハイマー病の脳の変化は発症20年前から)

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