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2017年2月21日 (火)

徘徊は命の危機

 2014年12月に、要介護4の91歳男性の認知症患さんが徘徊し、駅構内で電車にはねられて死亡する事故が起こりました。

 これに対してJR東海は損害賠償訴訟をおこし、一審では、家族に720万円全額の支払いを、二審では、長男に対する請求を退け、妻にのみ損害賠償約360万円の支払いを命じました。

 最高裁では、長男と妻について損害賠償義務を否定され、支払うことはありませんでしたが、認知症介護の問題に一石を投じる裁判となりました。


 徘徊による行方不明者は2015年に10322人で、死亡者は388人、所在不明者は151人となっています。

Photo
警視庁発表


 また、ある研究において徘徊者の死亡率が高いことが示され、翌日の生存率は約6割、5日以降の生存率は0となっています。

Photo_2

桜美林大老年学総合研究所 鈴木隆雄

  
 認知症サポーターや、
徘徊高齢者SOSネットワークという、徘徊者を地域で見守ろうという活動も広まりつつあります。

 街中で、季節に合った服装をしていない、靴を履いていない、うろうろしているなどの不自然な行動をとる高齢者を見かけた場合、徘徊である可能性があります。

 前述のとおり、徘徊者の発見が遅れると生存率が大きく下がってしまいます。そのため、こういった不自然な行動をとる高齢者を見かけたら積極的に声掛けを行ってください。

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