認知症の問題行動が出現したら確認しておきたいこと
認知症患者さんを介護するときに、介護者を悩ますのが問題行動。
もの忘れだけの患者さんと、周辺症状を伴った患者さんの介護では、その大変さが全く異なります。
問題行動(行動心理症状やBPSDとも呼ばれる)には、暴力、暴言、徘徊、帰宅願望、怒りっぽいといった激しい症状から、うつ、拒食、不安といったものまであり、その対応方法は患者さん事に異なります。
問題行動の対応方法については、以前にもお書きしましたが、今回は、問題行動が出現した時に必ず確認しておきたいことをお伝えします。
認知症の問題行動対策 ①薬物編
認知症の問題行動対策 ②対応編
問題行動は、患者さん自身に訴えたいことがあるけれど、それが上手く表現できないときに起こりやすい傾向があります。
ですから、問題行動が出現した場合には、身体や環境に異常が起こっていないか確認する必要があります。
・身体の異常
便秘、痛み、肺炎などの感染症などの異常が出現していることがあります。病院で異常がないか診てもらいましょう。
・薬の影響
新しく始めた薬や中断した薬がないか確認しましょう。
・不適切な環境
暑すぎたり、寒すぎたり、うるさすぎたりしていないか確認しましょう。
・不適切な介護
だます、できる事をさせない、子ども扱いをする、急がせる、無視する、無理強いをする、非難するなどの扱いをしていないか確認しましょう。
~対策~
・身体の異常や薬の影響
病院に相談しましょう。実際に、ある日を境に問題行動が出現した患者さんが、実は肺炎だったということもありましたし、新しく始めた薬をやめたら治まったということもありました。
・不適切な環境
室温の調節も大切ですが、模様替えや引っ越しを出来る限りしない、引っ越すときは、使い慣れた家具を持っていくというのも方法です。
・不適切な介護
介護の状態をもう一度振り返ってみてください。介護をしているあなたに問題がなくても、他の介護者に問題があるかもしれません。
介護者の負担軽減対策が必要になります。ケアマネージャーに相談しましょう。
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