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2019年10月22日 (火)

肺炎予防について 肺炎球菌ワクチンの違い

今回は、肺炎球菌ワクチンについて詳しくご説明したいと思います。

 

肺炎球菌は健康な人の上気道にいる菌で、90種類以上に分類されます。

成人の保菌率は5~10%程度ですが、小児では20~40%と高率に保菌しています。

 

小児と高齢者が濃密に接触すると、高齢者に感染することがあります。

 

特に、65歳以上の高齢者や呼吸器疾患や心不全など基礎疾患を有する方は、

肺炎球菌ワクチンを接種して予防する必要があります。

 

現在、成人に使用できる肺炎球菌ワクチンは、下記の通り、2種類あります。

  • ニューモバックス
  • プレベナー

 

ニューモバックスは、23種類と広範囲の莢膜型をカバーしている反面、免疫機序はB細胞依存性であるため、徐々に抗体価が低下し免疫効果が低いとされています。

 

一方、プレベナーは、たんぱく結合型ワクチンであるため、免疫機序はT細胞をも介し、高い免疫効果と免疫記憶が期待できます。その反面、カバーする莢膜型は13種類とニューモバックスより少ないです。

 

両者のイメージは、「カバー率が高いニューモバックス」、「免疫効果が高いプレベナー」と、言えると思います。

 

2014年10月からニューモバックスの65歳以上の高齢者に対する定期接種が開始されており、プレベナーは65歳以上の高齢者に対して自費での接種となります。

 

一方、お子さんにおいては、2013年からプレベナーが定期接種となっております。

 

現在は、生後2か月からプレベナーの接種を開始し、生後15か月までに合計4回接種します。

これによって、小児の重篤な肺炎球菌による肺炎や髄膜炎は激減しています。

 

免疫力の低いお子さんとご高齢な方が積極的に肺炎予防に努めることはとても大切なことです。

 

これから、インフルエンザも気になる季節となりました。

インフルエンザにかかると、細菌性肺炎を併発することがあります。

 

年末年始にかけて、お孫さんや曾孫さんがいらっしゃるご家庭も多いかと思います。

ぜひ、インフルエンザワクチンと一緒に肺炎球菌ワクチンの接種もご検討ください。

 

日本呼吸器学会のガイドラインにおいても、

「高齢者の肺炎予防に対して、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの併用接種」は、強く推奨されています。

 

*当院の呼吸器専門外来は水曜日午前中におこなっております。ワクチンについて詳細を知りたい方や、咳などでお困りの方はご相談ください。

 

written by S.S.

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